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親知らず抜歯後にやってはいけないこと|回復を早めるポイントとは?

親知らずを抜いた後、「早く普通の生活に戻りたい」と思うのは当然のことです。しかし、抜歯後の過ごし方を少し間違えるだけで、治りが大幅に遅れたり、強い痛みや腫れが長引いたりすることがあります。抜歯そのものよりも、その後の数日間の過ごし方が回復の速さを大きく左右すると言っても過言ではありません。

このページでは、抜歯後に避けるべき行動と、回復を早めるための過ごし方について、当院でよく患者さまにお伝えしている内容をまとめています。

抜歯後の口の中で何が起きているか

まず、回復の仕組みを少し理解しておくと、なぜ特定の行動がNGなのかがわかりやすくなります。

抜歯後の穴(抜歯窩)には、まず血の塊(血餅)が形成されます。この血餅が傷口にふたをする役割を果たし、その下で徐々に組織の修復が進んでいきます。つまり、この血餅をいかに守れるかが、回復のスピードに直結しています。血餅が失われると「ドライソケット」と呼ばれる状態になり、骨が剥き出しになって激しい痛みが続くことがあります。こうなると治癒が大幅に遅れるため、抜歯後はとにかく血餅を守ることを意識してください。

抜歯後にやってはいけないこと

強くうがいをする

「清潔にしたい」という気持ちから、抜歯当日に何度も強くうがいをしてしまう方がいます。しかし、強いうがいは血餅を洗い流してしまう可能性があります。当日は、口をゆすぐとしても極力やさしく、水を口に含んでそっと出す程度にとどめてください。翌日以降も、傷口付近を直接うがいで刺激しないよう注意が必要です。

患部を舌や指で触る

気になって舌で触ったり、鏡でのぞき込んで指で確認したりしたくなる気持ちはわかります。ただ、これも血餅が剥がれる原因になるため控えてください。指は雑菌を運ぶリスクもあり、傷口への感染を招く可能性もあります。

飲酒・喫煙・激しい運動

抜歯後は血管が拡張しやすい状態になっています。飲酒や激しい運動はさらに血流を増加させ、出血が止まりにくくなったり、腫れが強く出たりする原因になります。少なくとも当日は完全に控え、翌日以降も状態を見ながら徐々に再開するようにしてください。

喫煙については特に注意が必要です。タバコに含まれる成分は血管を収縮させ、組織への血液供給を妨げます。傷の修復には十分な血流が必要なため、喫煙習慣がある方は抜歯後しばらくは我慢することが、回復を早める意味でも重要です。

熱いものを食べる・入浴する

体を温める行動も、血流を促進して出血や腫れを悪化させる可能性があります。抜歯当日は、熱いお風呂やシャワーではなくぬるめのお湯で短時間にとどめ、食事も熱い飲み物や料理は避けましょう。やわらかく、常温〜ぬるい温度のものが理想的です。

回復を早めるために意識したいこと

やってはいけないことの裏返しになりますが、いくつか積極的に意識したい点もあります。

処方された痛み止めや抗生物質は、痛みが引いても指示通りに服用することが大切です。特に抗生物質は、途中でやめると感染リスクが高まるため、必ず飲みきるようにしてください。食事は、傷口に刺激の少ない食べ物(おかゆ・豆腐・スープなど)を中心にして、かたいものや辛いものはしばらく避けるのが無難です。患部側で噛むことも、できる限り避けてください。

睡眠中の姿勢も意外と影響します。抜歯後は頭をやや高くして休むと、血液が患部に集中しにくくなり、腫れや痛みが和らぎやすくなります。枕を重ねるなど、少し工夫してみてください。

こんな症状が出たら、すぐに当院へ

多くの場合、抜歯後の腫れや痛みは数日以内にピークを過ぎ、1週間前後で落ち着いてきます。しかし、以下のような状態が続く場合は、早めに当院へご連絡ください。

2〜3日を過ぎても痛みが増している、または治まる気配がない場合は、ドライソケットや感染が疑われます。また、38度を超える発熱、強い腫れ、口が開きにくい状態が続く場合も、異常なサインである可能性があります。

「様子を見ているうちに悪化した」というケースは少なくありません。少しでも不安を感じたら、自己判断せずに当院へご相談ください。

抜歯前からご相談いただけます

「親知らずを抜くべきか迷っている」「抜歯が怖くて踏み出せない」という段階からでも、当院では丁寧にご説明しています。親知らずの状態や生え方によって、抜歯の難易度や術後の経過は異なります。患者さまの口腔内をしっかり確認したうえで、最適な対応をご提案しますので、まずはお気軽にご来院ください。